(2015/12 取材)
長南 マンガでお好きなものはありますか。マンガって結構人柄を表すので、今のものでなくても、学生時代に好きだったものでも良いので、お聞きしたいです。
和田 そういえば、以前とあるインタビューの依頼で好きなマンガを3冊程度って言われたんですが、選べなくて断ってしまったことがあります(笑)どれかを選ぶとどれかが犠牲になるので難しくて。
長南 すごいマンガ好きですね。家にあるマンガを複数、と言った方が答えやすいでしょうか。
和田 それで言うと、『蒼天航路』と『キングダム』と『SLAM DUNK』、あと『沈黙の艦隊』も好きですね。
長南 社会学系、複雑系ですね。かわぐちかいじさんの作品がお好きなんですか。
和田 その中だと、『沈黙の艦隊』が一番好きだと思います。
長南 なるほど。『沈黙の艦隊』はすごく極端なシーンを設定することによって、人というものをあぶり出していますよね。苦しい状況で人が決断したり変わったりする様子を見て、「そこまでする必要ないじゃないか!」と言う人もいますが、和田さんはどう思われましたか。「人ってやはりこんなものだよな」という感じですか。
和田 単純化しにくいですが、海江田四郎みたいなテンションで経営できる人がいたら投資したいですよね。肚の奥に理想や情熱を秘めつつ、冷静に一手ずつ行動していく人。どれだけ困難な状況においても、断固たる意思と緻密な思考でひっくり返していく感じが素晴らしいと思います。
長南 それは投資したいですね。大企業の中にもどれだけいるかですね。
和田 いたら軍人になっているのではないでしょうか(笑)
長南 最後に起業家へのメッセージをお願いします。
和田 自分の理想や志を曲げずに貫いてもらえれば、と思います。ベンチャーキャピタリストとしてその手伝いをするのは楽しいので、真っ直ぐに諦めないでもらえると良いですね。
長南 キャピタリストをしていて、どういう時が一番嬉しいですか。
和田 事業や組織の成長は一つ一つ嬉しいです。シード投資ならではの部分で言うと、まだ起業家以外誰一人信じていない未来を、下馬評をひっくり返して実現していく逆転劇を、根気強く見守ることはとても充実感があります。
長南 Incubate Campでも振れ幅の大きいベンチャーキャピタリストの方を評価していますしね(笑)賛否両論あるような、難しい案件が好きなのでしょうか。
和田 どんな事業にもそれぞれ難しさはあるんでしょうけど、どうせやるなら賛否両論が明確に分かれるくらいの大きな挑戦が好きです。
長南 起業家へのメッセージとリンクしますね。「自分を信じて、こうしたいと思ったことを大切にしてください」と。
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その眼は起業家の顔を真っ直ぐに、その裏側にある真意を確実に掴んでいるように感じました。最初は表情が硬かったものの、大学時代の奇才との出会いによる人生観の変化(笑)やベンチャー投資はロジカルより想いという話は、和田氏の心の奥底にある熱いものを感じました。 本インタビューにご興味を持たれ、和田圭祐氏とのコンタクトをご希望の方は、下記からお問い合わせください。
和田 圭祐氏KEISUKE WADA
インキュベイトファンド 共同創業者兼ゼネラルパートナー
1981年生まれ。2004年株式会社フューチャーベンチャーキャピタル入社。ベンチャー投資、M&A アドバイザリー業務、二人組合の組成管理業務に従事。 2006年株式会社サイバーエージェント入社。グループ初の海外投資ファンドとなるCA JAIC CHINA Internet Fund(22.8百万US$)の組成管理業務に従事、国内インターネット関連企業の投資育成業務を行う。 2007年シードステージ投資に特化したVC ファンド、セレネベンチャーパートナーズ設立、代表パートナー就任。ポケラボの設立等を含めたスタートアップのインキュベーション活動に従事。 2010年インキュベイトファンド設立、代表パートナー就任。Incubate Camp などのシード投資プログラム業務を主幹。 主なExit 実績は、Sunfun Info Co., Ltd(台湾市場IPO)、株式会社ポケラボ(M&A)、株式会社イストピカ(M&A)等。
*本記事の内容は2015年12月取材時点のものに基づきます。所属、価格、企業名など時期により異なることがありますので、予めご了承ください。