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INTERVIEWS WITH INVESTORS

(2015/10 取材)

投資家インタビュー Vol.4後編 元enish代表取締役社長杉山全功氏 投資家インタビュー Vol.4後編 元enish代表取締役社長杉山全功氏

2016年は新たなスタートを

長南 今後は何に一番取り組みたいですか。エンジェル投資家としてベンチャー投資してEXITしたり、経営者を育てるのも楽しみ、というのも仰っていたと思うんですけど。

杉山 来年から自分でやるビジネスを探そうと思っていますよ。

長南 来年なんですね。

杉山 まぁ、今年もう終わっちゃうんでね(笑)

長南 また松本さんと一緒に、という感じですか。

杉山 それは多分、案件でお互いが乗るって言えば、ですよね。絶対に二人でやらなきゃいけないものではないと思うので。

長南 それでもお二人の間でのビジネスや人に対する感覚は一緒、というのはありそうですよね。役割分担も結構きっちりしているというか。

杉山 スクラッチで創業するんだったら別ですけど、例えばenishの場合は、たまたま僕らにない機能を起業家が持っていたってことですよね。最近のスタートアップ系では社長がプログラマーで、スタートアップなのにCFOが別にいる例も意外とあったりするじゃないですか。だから多分、会社のメンバーによりけりになるとは思いますね。

投資家インタビュー Vol.4 杉山全功氏 2016年は新たなスタートを

長南 最初からいわゆるCFOというのは必ずしも必要ではないと思うのですが、それについてはどのように考えますか。

杉山 僕も最近そう思うのですが、よく「CFO求めている」って言うじゃないですか。でも厳密に言うと、スタートアップの会社では投資運用をするわけでもないし、大事なのは資金調達だとするならば、基本的に資金調達は代表が前面に出て行うじゃないですか。だからCFOよりも必要なのは、コーポレート部門を見ることのできる管理部長、ないしは管理幹部の役員だと思うんですね。

長南 CFOの定義って難しいですよね。CFOって本来何をする人かって言われて具体的にイメージできる人多くないですよね。

杉山 資金調達をする人がCFOとして捉えられているきらいがちょっとありますよね。 でもそれはまた別であるじゃないですか。極端に言えば、外部の人に色々やってもらえれば良いわけだし。だから必要なのは多分、管理ができる人。回せる人。社長がそこをできる場合には話は別ですけど。 あと、内部的なことを言うと多分、社長に対してちゃんとものが言える人。

長南 対等な立場でものが言える人、ということですね。

肩書は社外よりも社内での役割分担の明示に必要

長南 松本さんと2人で入られる時は、ポジショニングを自由に選べるとしたら、肩書は何がベストでしょうか。

杉山 多分、自分が社長という役割で松本さんが管理担当か経営企画担当役員という役割。ただお互い逆でも出来ると思います。

長南 その役割が逆になってもおかしくないんですよね。ちょっと違いますが、共同代表制というか複数代表制について、アメリカの企業で上手くいっているところはあるけど、日本では中々少ないように考えております。共同代表制についてはどういう考えをお持ちですか。

杉山 そういう意味では、ちゃんと役割分担できているかどうかだけですね。

長南 その取り決めができていないと、いつか喧嘩とか破綻しますよ、という感じでしょうか。

杉山 喧嘩はして良いと思っているんですよ、健全な形であればむしろ。 たぶん共同代表の時は、お互いになんかこう、どこかで認め合っているところがないとだめなんじゃないですかね。尊敬はしなくてもいいけど、認めている、みたいな。だから「お前はこれ得意だよね」とか、「俺こっちできないよね」とか。

長南 ボケとツッコミじゃないですが、お笑い芸人みたいなものなんですかね。 上手くいっているコンビほど、プライベートでは会わないって言いますよね。本当に仕事場でしか会わないとか。本当に喧嘩している人もいるかもですが。

杉山 それで良いんじゃないですかね。お互いを深く好きではないとしても。 多分、決めの問題だと思いますよね。こういう時にどちらが決める権利があるかっていうところの決めと、緩衝地帯が常にあって、許容できる、どこまではOKみたいなところがあるかだけだと思いますけどね。

投資家インタビュー Vol.4 杉山全功氏 肩書は社外よりも社内での役割分担の明示に必要

長南 役割というかどちらが判断すればいいかと考えたときに、優劣というか、上下の関係はある程度あった方がお互いにとって良いでしょうか。

杉山 社内で決めるべきところが決まっているんだったら、分かりやすく代表は1人で良いんじゃないかって。

長南 アメリカでも成功している例がありますが、役割分担がプロダクト作る者と経営全般見る者というように明確に分かれていますしね。

杉山 そうですね。代表権があろうがなかろうが、取締役、管理担当、まぁCFOでもいいんですけど、もっと言うと社員との間も含めてね、役割分担でしかないので。

長南 社員との間っていう面ではどちらを向けばいいのか分かりにくいというような弊害もあるかもしれないですね。

杉山 あくまでも機関ですから。だからどちらかと言うと、外に対してこそむしろ意味があるんだと思います。だから、代表者が言ったことはもう、会社の判断でしょっていうだけだと思います。だから、社内は代表かどうかじゃなくて、社長なのか管理担当役員なのか財務部長なのかの肩書の方が実は大事なんですよ。

投資家インタビューVol.4 杉山全功氏

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