(2015/9 取材)
長南 ベンチャーキャピタリストになって、一番嬉しい時、楽しい時ってどういう時ですか?
今野 2つありますね。1つは、電車に乗っていて投資してるサービスが使われていたりするのを見ると、すごく嬉しくなってニヤッとしちゃう。
長南 喜びが職人的。
今野 むしろIPOの時なんて、緊張しかしないですよ。この会社がどうなるかとか、値段ももちろんあるけど、「あーあ、もう行っちゃった」みたいな寂しさもあるし、不安、緊張。やっぱり起業家の緊張が伝わってくる。
長南 機関投資家からお金を預かってるし、投資先は子供みたいなものだから、そこに出しちゃっていいのか、っていうこともあるんですか。
今野 まぁそれもそうだし、上場したときに株式を購入する方が沢山いるわけですから。 もう1個はね、社員の数が増えること。今年の社員総会は5人だったのが、次は30人になり、100人になり、みたいな。雇用を生んでるし、しかも、ある意味変な話、100人くらいの会社だと、ゲーム会社とか若い子達はその風貌から何から、そのままだとたぶん就職も難しい人だっているわけですよ。そういう人をちゃんと戦力にして雇用を生んでいる。
長南 雇用って人の集合ができることもあるし、治安も良くなって結果として経済全体がよくなるから大事ですよね。今野さん地方創生とかに最後入っていきそうな気がするんですけど、そんなことはないですか(笑)
今野 勝てなきゃやらない。
長南 地方、人減ってきますからね。
今野 地方の中で地方を大きくして、何の勝負に勝つかですね。トップラインをねらって、勝ちたいので。
長南 農業とかいかないんですか。
今野 あり得るんじゃないですか。
長南 勝てるんだったらですね。
長南 企業家に向けて何か一言、最後に。
今野 目線高く頑張ってください。 個社、個別、ボトムアップよりも、大きなうねりがあったりもするんで。
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普段のカジュアルなスタイルとは異なり、高級なスーツに身を固めて出迎えて下さった今野氏。あくまでもロジカルに物事を冷静に整理して話す姿が印象的でした。日本人のアイデンティティを大事にしている姿、投資先のサービスを見かけたときは嬉しいとはにかむ笑顔、投資先の雇用が増加したときには喜びと同時に責任感を感じると語る姿には、「日本株式会社」を少しでも良くしようとする心根の温かさを感じざるを得ませんでした。 本インタビューにご興味を持たれ、今野穣氏とのコンタクトをご希望の方は、下記からお問い合わせください。
今野 穣氏IMANO MINORU
株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ パートナー, 最高執行責任者(COO)
2006年7月グロービス・キャピタル・パートナーズ入社。 2012年7月同社パートナー就任。 2013年1月より、同社ジェネラルパートナーおよび最高執行責任者(COO)就任。 主な投資先に、ライフネット生命保険、ブイキューブ、みんなのウェディング、Quipper、スマートニュース、アカツキなどがある。 GCP入社以前は、経営コンサルティング会社にて、プロジェクトマネジャーとして、中期経営計画策定・PMI(Post Merger Integration)・営業オペレーション改革などのコンサルティング業務に従事。 東京大学法学部卒。
*本記事の内容は2015年9月取材時点のものに基づきます。所属、価格、企業名など時期により異なることがありますので、予めご了承ください。