2015/10/21
IPOを目指すにあたっては、IPOを前提とした組織化を予め考えていない限り、財務・経理・法務面など各方面での体制整備が求められることとなります。そうしたIPOに向けての課題解決に実際に取り組む担当者を決め、全体の流れ、生のスケジュールを理解した上で統括するプロジェクトマネージャー(PM)の存在が組織化には必須と言えます。
本表ではIPOを考えるにあたり想定される課題を列挙し、各課題についてどのようなスケジュールで対処していくかを一つの目安としてまとめています。
○・・・ある程度の整備が望ましい ●・・・完了していることが望ましい ★・・・完了していることが求められる
※上場日 H30年10月、上場申請日 H30年7月、直前期 H30年3月、直前々期 H29年3月の場合
課題 |
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担当者 | 3期前 | 直前々期 | 直前期 | 申請期 | ||||||||||
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H28/3 | H28/6 | H29/3 | H29/6 | H29/9 | H29/12 | H30/3 | H30/4 | H30/5 | H30/6 | H30/7 | H30/8 | H30/9 | H30/10 | |
決算期末 | 定時株主総会 | 決算期末 | 定時株主総会 | 決算期末 | 定時株主総会 | 上場申請 | 上場承認 | IPO |
1 | 事業計画 | 財務会計とリンクした総合予算(損益予算だけではなく、投資予算や資金予算、人事予算を含む予算)の策定 |
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毎期、ローリングによって中期経営計画をアップデート | ||
中期経営計画の取締役会での決議、承認 | ||
2 | 予算制度 | 予算規程の作成 |
月次予算の策定(直前期1年間は最低限必要) | ||
3 | 月次決算制度 | 収益・費用の集計内容等の精度向上(直前期1年間最低限必要) |
予実差異分析コメントを取締役会添付資料に明示し、保存できる体制の整備(直前期1年間最低限必要) | ||
4 | 株主総会 | 議事録の整備(ハイライト情報期間最低限必要) |
5 | 取締役 | 取締役会の設置(上場申請日までに最低1年間必要) |
6 | 取締役会 | 取締役会規程、職務権限規程における取締役会での承認事項の明確化 |
取締役会議事録の整備・保存(ハイライト情報期間最低限必要) | ||
7 | 監査役 | 上場直前期は、常勤監査役1名を含む複数名で監査を実施 |
監査役監査計画、監査調書の作成・保存 | ||
8 | 監査役会 | 上場申請前に社外監査役過半数を含む3名以上で監査役会を設置 |
9 | 組織図 | 全部門に管掌役員を配置 |
組織図と整合した組織規程、業務分掌規程、職務権限規程の整備 | ||
10 | 内部監査 | 独立した担当部署または担当者の設置 |
内部監査計画書、内部監査報告書等の作成、保存(上場申請前までに1年間の運用が最低限必要) | ||
内部監査規程の整備 | ||
11 | 稟議決裁制度 | 稟議規程・稟議事項一覧表等で稟議基準を明確化 |
稟議制度の規程に基づく運用、内部監査での稟議事項の漏れ等の検証 | ||
12 | 定款 | 定款の目的の整備 |
公告の方法を「日刊紙への掲載(又は電子公告)」へと変更 | ||
株式の譲渡制限の解除 | ||
13 | 諸規程 | 不足している規程の作成および業務実態と整合していない規程の改訂 |
14 | コンプライアンス体制 | 反社会的勢力等への対応 |
15 | 特別利害関係者等 | 特別利害関係者等との取引関係、資本関係の整理 |
社長個人保証の解消 | ||
16 | 労務関係 | 36協定・就業規則の提出 |
残業代(深夜残業含む)の検討、過去分の精算 | ||
17 | 資本政策 | ストック・オプションの発行等の検討 |
18 | 決算体制 | 経理関係規程、マニュアル等の整備 |
上場に向けた担当者の増員 | ||
会社法に基づく決算スケジュールを順守できる体制の整備、決算スケジュール表の作成 | ||
金商法に基づく決算スケジュールを順守できる体制の整備、決算スケジュール表の作成 | ||
19 | JSOX対応準備 | 実施計画の立案 |
全社統制の整備 | ||
業務処理統制に係るフローチャート、RCM等の整備 | ||
社内でのJSOX監査の実施 | ||
20 | 申請書類の作成 | Tの部・各種説明書類等の作成 |
21 | 業務フロー関係整備 | |
販売管理 | 契約書における反社会勢力等への対応 | |
担当者の入力・上席者の確認といった二重チェック体制とその可視化 | ||
購買・経費管理 | 発注残高管理の精度向上 | |
担当者の入力・上席者の確認といった二重チェック体制とその可視化 | ||
固定資産管理 | 固定資産現品管理の実施(管理Noの付与、シール添付等) | |
固定資産実査の実施 | ||
財務管理 | 経理担当と財務担当の分離 | |
財務担当への権限の委譲、通帳・印章管理 | ||
労務管理 | 勤怠管理の実施 | |
給与計算の内製化の検討 | ||
22 | 重要な会計方針・会計処理 | |
売上高 | 収益認識基準 | |
売上原価 | 原価計算制度の確立、在庫管理の徹底 | |
給与・労働保険 | 発生主義による計上 | |
賞与 | 支給方法の確立および会計処理 | |
減損会計 | 減損会計の適用方法を明文化 | |
資産除去債務 | 見積等に基づく計上 | |
税効果会計 | 会社区分の検討・回収可能性の検討 | |
23 | 基幹システムの確定 | 上場後も使用できるシステムへの変更(会計、業務、人事・給与など) |
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